社会調査の方法/社会調査法概説 (選択必修)
教室 412
授業テーマ 社会調査の全体像をつかむ
授業のねらい 日常生活に欠かせない社会調査の基礎を学ぶ。今後のレポート・卒論への第一歩とする。
授業の方法 テキストに沿って展開される。
教 科 書 大谷信介・木下栄二・後藤範章・小松洋・永野武
『社会調査へのアプローチ−論理と方法』ミネルヴァ書房、1999年、2500円
参考書等 授業中に指示する。
成績評価 平常点とレポート等による総合評価。
回数 授 業 計 画
1 4/10 ガイダンス、複眼思考のすすめ
2 4/17 はじめに 社会学と社会調査
3 4/24 1章+apB さまざまな社会調査
4 5/08 1章 社会調査の歴史、注意点
5 5/15 2章 社会調査を計画するために
6 5/22 2章+apA 情報を得る方法(図書館とインターネット)【前期R出題日】
7 5/29 3章 社会調査のルール
8 6/05 3章 独立変数と従属変数
9 6/12 4章 調査票とは何か
10 6/19 4章 調査票の作り方(その1)
11 6/26 4章 調査票の作り方(その2)
12 7/03 5章 サンプリングの論理と実際 【前期レポート締切日】
夏期課題 第W部@ A君の事例
3回に1回程度、講義の最初にB6版のミニレポート用紙を配布。
講義中の課題や講義に関する感想などを書いて提出(記名だが評価対象ではない)。
3回 (4/24)
1章
1.社会調査の時代
巷に氾濫する調査
→×数値の鵜呑み
×調査無知型無用論者
2.社会調査って何?
・社会調査=データを収集すること
それを分析すること
結果を公表すること
(テキスト)社会的な問題意識に基づいて、データを収集し、収集したデータを使って
社会について考え、その結果を公表する一連の過程
・種類
質的調査 観察、インタビュー
量的調査 いわゆるアンケート調査・・調査票調査(質問紙調査)
3.社会調査の歴史
・ルーツ →人口調査
・近代的調査 →貧困調査
チャールズ・ブース ロンドンの労働者の25%は貧困 ←本当か?
概念を誰にでも分かる形で標準化
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4回 (5/7)
3.社会調査の歴史(続)
・日本の調査
横山源之助『日本の下層社会』(1899)
SSM調査(1955〜)
・現在
国勢調査などなど
4.社会調査の注意書き
・プライバシー
調査主体と調査対象者は対等な立場にあるべき
・社会的現実をつかみ取る技術
×事後解釈 →どんなデータでももっともらしい解釈は可能
例)失業と読書
→妥当な解釈とは何か、予め理論に基づいた結果を予測する
・現実を作る
例)予言の自己成就 銀行の取り付け騒ぎ
アナウンスメント効果
ピグマリオン効果
5.社会調査の流れ
「問題意識→問題決定→調査設計」(問題意識)
↓
「仮説構成→経験的検証」(実証=データ収集)
↓
「経験的一般化→法則的一般化」(理論=データ分析)
↓
「新たな問題決定」
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5回 (5/15)
2章 情報の発掘
1.調査の設計
@準備
着想→課題の鮮明化→既存データ→過去の調査
A実査は最後
従来の研究を検討し、「まだ明らかになっていない点」を探し、
社会調査すべきと判断したときにはじめて実査を行う
2.何を調査すればいいのか?
@不思議だと思うことは無いか?
「センス・オブ・ワンダー」を鍛える
簡単に二者関係を結論づけない cf) 離婚率と検挙率
民主的母親と子供の自立性
A見えない領域と見える領域
可視的・・購入状況・登校時間・投票行動→世論調査・市場調査
不可視的・・中学生の自立性・現代人の消費観・政治意識
→幾つかの指標を探し出し、それを調べる
cf) 親との日常会話数、自分の部屋の掃除
3.図書館を使いこなそう
@参考図書室のリファレンスブック・各種文献目録
Aさまざまな図書館
B新刊書店・古書店
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6回 (5/22)
2章 情報の発掘 ・・・続き
4.インターネット検索
@検索エンジン
ディレクトリ型(Yahoo! Japan)とロボット型(goo他) ←変更
Aデータベースの利用
B必ずしも万能ではないことに留意
5.先行研究を探る
@社会学文献目録
社会学文献情報データベース(SOCIO)
ANACSIS-IR
NACSIS-webcat
B各種雑誌・目録、『統計調査総覧』など
6.統計資料の活用
@国勢調査、その他のセンサス
A既存データ
世論調査年鑑、社会・意識調査データベースなど
B自ら加工して使用する
付論)ハンセン病とHIVと報道と行政とレッテルと差別
7回 (5.29)
3章 社会調査の基本ルールと基本の道具
1.社会調査のルール
身近な問題関心→重要かどうか→「社会」を意識する
2.記述と説明
例)管理職と平社員の健康状態
→×「管理職になることが健康に良い」
事実は調査時点での健康状態でしかない
←知識や社会学的想像力による「妥当な解釈」へ
例)コウノトリと出生率
→無関係? 「都市化」による説明?
3.問題の構成
個々人にとって万能ではないが、「社会」へ有用な調査へ
4.概念
※事物(事実、モノ)−−意味(イメージ)
定義の重要性
例)ひきこもり(斉藤環の定義)
@20歳代までにおこる
A6ヶ月以上自宅にひきこもって社会参加しない
B他の精神障害が第一義的要因と考えられない
貧乏・・チャールズ・ブースの設定
←概念の操作化
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8回 (6.5)
3章 社会調査の基本ルールと基本の道具 (続き)
5.変数
変数=変化する値をとる概念
例)○年齢、身長、性別 ×男、女
Xの変化にともない、Yも変化する
X:独立変数 Y:従属変数 t:媒介変数
比較する場合は統制群(コントロールグループ)が必要
例)ロウソクと焔
「結果→原因」の構図で仮説を考える
※ホーソーン実験
6.仮説
(1)仮説の作り方
演繹、帰納
仮説的発想
@驚くべき事実Cがある→Aしかし、AならばCである→BだからAである
(2)仮説のセンテンス
独立変数と従属変数の関連の仕方を示し、その理由を述べる。
例)若者と年長者とどちらのマナーが悪いのか?
《RP》
1−1 変数の例を挙げよ
1−2 コントロールグループの例を挙げよ
2 命題を一つ書け
3 仮説を一つ書け
9回 (6.12)
4章 調査票を作る
1.調査票を作る前に
調査票調査で問えることは、属性・意識・行動
←仮説を検証するために、何を問えばいいか考える
(1)調査票の構成
@表紙と前文
A本文
Bフェースシート
(2)質問形式
@単一選択(single answer:single choice)
A複数選択・多肢選択(multiple answers:multiple
choice)
B評定尺度(scale)
C自由回答(free answer)
※質問の並べ方 小→大、大→小
10回 (6.19)
4章 調査票を作る 続き
2.質問文をつくる
(1)曖昧な語句を使用しない
(2)抽象的・専門用語・特殊用語も使用しない
(3)評価基準をともなう語句も使用しない (4)
誘導質問をしない
※キャリーオーバー効果
(5)ダブルバーレル質問
A)並列
B)複合
△一般か個別か
△普段か特定か
11回 (6.26)
4章 調査票を作る 続き
3.選択肢の作り方
@相互排他的かつ網羅的
A単一選択と評定尺度
B複数選択
C自由回答
※並べ方:一般から核心へ
12回 (7.3)
1.サンプリングとは何か
全体か部分か
→部分の場合はどうやって選択するのか
方法によっては「偏り」のあるデータになる
2.サンプリングの歴史−大統領選挙と世論調査
1920→24→28→32→36→40→44→48
(1)多くの人に聞く
D社の電話加入者・自動車所有者への葉書による模擬投票→失敗
【RP】なぜD社ははずれ、G社は当たったのだろうか?
ヒント:実際投票するのは誰?
→偏りない標本の抽出 G社は割当法
(2)割当法
母集団の人口構成を国勢調査と同じように設定し、その調査区域で割り当てる
→成功が続いた後、失敗
←割当法は「有為抽出法」という限界
→無作為による標本抽出へ
(3)ランダム・サンプリング
3.サンプリングの原理
(1)「無作為抽出」という考え方
ランダムサンプリング
=「母集団に含まれるすべての個体について、それが標本に選ばれる確率が等しくなるように設計されたサンプリング」
←一般的には乱数表
(2)種類
@単純無作為抽出法(simple random sampling)
A等間隔抽出法(系統抽出法 systematic
random sampling)
B多段階抽出法(multi-stage sampling
副次抽出法)・確率比例抽出法
C層化抽出法(stratified sampling)・層化多段抽出法(stratified
multistage sampling)
(3)標本数の決め方
(4)サンプリング台帳について
@住民基本台帳 A選挙人名簿抄本